インプラントは、基本的にフィクスチャー(インプラント体)・アバットメント(土台)・上部構造体の三つの部分に分けられます。
料金表で「インプラント1本 ※※ 円」と書かれているのがフィクスチャー代だけなのか、アバットメントや上部構造体まで含んだ総額かということで治療費の総額が異なりますので、構造について知っておくと良いでしょう。
※こちらのページの画像は全て、ノーベルバイオケア社より引用しています(無断転載厳禁)
天然歯の歯根に当たり、あごの骨(歯槽骨)に埋入して骨と結合させる部分で、インプラント体とも言います。
様々なメーカーのものがあり、骨とできるだけ早く、しっかりと結合するように各メーカーごとに工夫が凝らされています。
用いる場所や本数によって長さや太さ、またメーカーによっても若干形状が異なりますが、近年の主流は、ネジのような形をしているスクリュータイプのものです(一部、円筒形のシリンダータイプが用いられることもあります)。
現在のような歯根型のインプラントが開発される以前は、薄い板状の金属を埋めるブレードタイプのものが主に使用されていました。
現在はほとんどのフィクスチャーが純チタンで作られていますが、メーカーによってはチタン合金、チタンとニッケルの合金などを用いているものもあるようです。
1952年にブローネマルク博士が骨とチタンの結合を発見するまでは、金やサファイア、ステンレス、コバルトクロム合金などの様々な素材が使用されていました。
フィクスチャーと上部構造体(人工歯)をつなぐ土台の部分です。
インプラントを埋入する部位やフィクスチャーの種類によって、さまざまな形状・素材のものがあります。
フィクスチャーとアバットメントが分かれているツーピースタイプのインプラントが主流ですが、一体型のワンピースインプラントが用いられることもあります。
ワンピースインプラントの方が比較的安価ですが、ワンピースインプラントとツーピースインプラントでは適している部位や治療法が異なりますので、どちらが優れているとは一概に言えないようです。
どちらのインプラントにもメリット・デメリットがありますので、治療前のカウンセリング時に、使用するインプラントについて詳しい説明を受け、納得できれば治療を開始されると良いでしょう。
歯ぐきから上に出ている歯冠部にあたる人工歯です。
金属を使用する場合もあるようですが、ほとんどの方はセラミック歯を選ばれています。
歯科医院によって取り扱っているセラミック歯の種類が異なりますので、治療を受ける歯科医院でサンプルを見せてもらうと良いでしょう。
上部構造体をインプラントに取りつける方法には、ねじ止め(可撤式/スクリューリテンション)と接着(固定式/セメントリテンション)があります。
ねじ止めタイプは、上部構造体が破損した場合に取り外して修理することができますが、噛んでいるうちにネジがゆるんで来てしまうことがあります。また、人工歯にねじ穴が残りますので、審美性が劣ることもデメリットです。
接着タイプは審美性が高く、ゆるんで来ることもありませんが、破損時の修理がしにくい、セメントの取り残しがあるとプラークがつきやすくなるなどのデメリットがあります。どちらもメリットとデメリットがあり、どちらが優れているとは一概には言えません。担当の先生とよく相談して決めましょう。